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このサイトでは、彩嶺さんちの家族の会話を通じて、自然エネルギーのことを学びます。

NPO法人 埼玉自然エネルギー協会

Saitama Natural Energy Association

よくわかる電力自由化のお話し

電力自由化と自然エネルギー

彩根さんちの家族

自然エネルギーで発電した電気は電力自由化とどう関連するのでしょうか。普及は進むのでしょうか。

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今日は、電力自由化と自然エネルギーについての話ね。
 
うん。
 
お父さんは、埼玉自然エネルギー協会に入っているから、この話はお得意分野ね。
 
そうだね。でも、なかなか難しいところがあるんだ。物知り博士の力を借りながらやってみるよ。
がんばって。じゃ、最初の質問ね。今度の自由化は、自然エネルギーとどういう関連があるの?
実は、今度の電力自由化は自然エネルギーの普及に追い風になるのではという観測があったんだ。だけど、今のところ、価格競争になっていて、それはふっとんだというか、おいてきぼりの状態なんだ。
そうなの?
 
電力小売り業者として名乗りを挙げた会社の中で、自然エネルギー中心の電気供給を目指している会社は何十社あったけど、自由化の始まる4月1日(2016年)から供給できたのは、わずか4〜5社くらいだったようだ。その後、徐々に増えてパワーシフトキャンペーンによれば2017年3月時点では、22社が供給を始めているそうだよ。あとは準備が遅れているということだよ。
それは残念ね。なんで準備が遅れているの?
 
そうだね。供給準備が遅れているのは、発電量が少なくて、調達が困難というのが主な原因だそうだ。やはり、電気と言えば今は火力、原子力が中心で、自然エネルギーはまだまだ少ないからね。その辺のことは物知り博士に訊いてみよう。→物知り博士のQ&A
この1年で少しは選択肢が増えたようだけど、どんな会社があるの?
 
自然エネルギーで発電した電力を供給する会社を大きく分けると、自治体が中心になってたちあげた「自治体系電力」、地域密着型の「地域系電力」、生協関係が立ち上げた「生協電力」、広域的な「複数地域供給」の4つのタイプがあるということだよ。
へえー。
 
これらの会社は、いずれも電源構成を明示していて、例えば神奈川県のS電力の構成を見てみると、県内で調達した太陽光発電が49%を占めているそうだ。
半分程度ね。残りの半分は既存の電力ということ?
 
そうなるね。このように、現状では自然エネルギー電力は半分程度というところが多いけど、今後地域で自然エネルギーが広がっていけばその割合を高めていくことができるんじゃないかな。
そうね。期待しましょう。
 
自然エネルギー電力の中で、太陽光発電はシェアは高いけど、日中だけの発電だし、安定した電力とはいえない。そのため、安定電力の確保ということでは小水力発電やバイオマス発電も重要になってくるね。
いずれにしても、電力自由化の中で自然エネルギー発電が伸びていくためには電力を消費する私たちが自然エネルギーの意義を理解し、自然エネルギー中心の電力供給を目指している電力会社を支援することがとくに重要なんだろうね。
埼玉自然エネルギー協会は、そのための活動をしているの?
 
もちろん。
 
話は変わるけど、日本ではまだまだ自然エネルギーの比率が低いということだったけど、外国ではどうかしら。
ドイツなんかは自然エネルギーの比率が高いと聞いているよ。詳細については、物知り博士に聞いてみよう。→物知り博士のQ&A
環境意識が高い人は、自然エネルギーを選ぶということね。日本でもそうあってほしいわね。
そうなれば、さっき言ったように徐々に自然エネルギーで発電した電力を売る会社が増えていくことになると思うよ。今度の自由化では価格競争になっているらしいから、最初に言ったように「環境」はどこかへ行ってしまった感じだし。
そうね、家計を預かる主婦としては、安いに越したことはないから、どうしても今の電気代がちょっとでも安くなるとなれば、飛びつくわね。
そこだよ。自然エネルギーで発電した電気は、日本では価格的にまだまだ火力や原子力に対抗できない。海外では火力より安くなっているところもあるらしいので、技術というよりは、日本の制度的問題によるのかもしれない。→物知り博士のQ&A
その中で自然エネルギーの電気を買ってくれというには、なにかが必要なんだ。ちょっとここで問題を出すよ。ある店で100円のトマトと150円のトマトがあったら、どっちを買う? もちろん数や大きさは同じだよ。
そりゃ、100円のよ。
 
そうだろうね。でもちょっと待って。100円のは普通栽培のもの、150円のは無農薬有機栽培としたら?
そうなると考えちゃうな。難しいね。うーん、高すぎるというのは別として、少しくらいなら無農薬有機栽培の方を買っちゃうかな。体にいいし、おいしいし。安全、安心でおいしければ、少しぐらい高くても買う人は多いかも?
でも、電気はどんな作り方でも使うときに違いはないんでしょ?
そう、味つまり質に違いはない。だけど、作るときの安全、安心という点では違う。
 
なるほどね。原子力は事故、火力は温暖化促進という弱点があることね。
 
そう。だけど、原子力は事故が心配といってもそんなに頻繁に起こるわけではない。火力のCO2排出に伴う温暖化への影響についても、すぐにどうこうというわけでもない。ならば、安いに越したことはない。そういう風潮が今の価格競争に集約されているとも言える。我々自然エネルギーに携わる者にとっては、憂慮すべきことだと思う。
そうね。私もそう思うわ。
 
原発といえば、ちょっと話はそれるけど、国などは原発を推進する理由として、電気が安く作れるからというけれど、原発に対して国がどのくらい財政支援しているか、その仕組みを多くの国民は知らないんだ。原発のある自治体への支援も厚いと言われている。そうしたことや廃炉などのあと処理を考慮すると、ほんとうに安いかどうかはわからないね。
一方で、福島の事故についても、原因の解明もないまま、汚染は湾内に閉じ込められているとか、放射線の影響を低く見積もって帰還を促すとか、原発の被害を小さく評価しようとする動きが強い。
そうね。
 
さらに、原発事故はいつ起こるか分からないし、いったん起きれば将来の幾世代にわたって核廃棄物という危険なものを残すことになる。また、温暖化も我々の世代よりもこの先、埼夫や彩、さらにその子供たちのことを考えると、自分には関係ないとはいえないと思うよ。これについては、「温暖化」の項で話すことにしよう。
それは楽しみね。
 
ところで、最近ある大手の事務機器メーカーが2050年までに自社で使う電力をすべて再生エネルギーでまかない、社内で排出する温室効果ガスをゼロにすると発表したそうだよ。
へえー、それはいいニュースね。
 
うん。「RE100」(再生エネルギー100%の意)という国際的な取り組みがあって、これに日本企業として名乗りを挙げたということだ。自家発電として太陽光発電やバイオマス発電を導入するほか、購入する電力も再生エネルギーに切り替えるそうだよ。
その会社、応援したくなるわね。
 
そうだね。そして、そんな会社が増えてくれるといいね。
 
ただいま。
 
あらっ、埼夫、今日は早いのね。
 
うん、明日からテストだから。お父さんとお母さん、何の話をしていたの?
 
電力自由化について、お父さんにいろいろ教えてもらっていたの。
 
電力自由化?なにそれ?僕たちには関係ないこと?
 
そうねえ。でも、埼夫や彩の未来には関係するらしいよ。詳しくは別に話してくれるんだって。
 
― お父さんは、なにやらパソコンのモニターを見ています ― 

ふーん。お父さん、何見ているの?
 
今、うちの太陽光発電の働き具合を見ていたんだ。今日は天気がいいからかなり発電しているよ。
たしか、昼間発電した電気のうち、家で使っていない分は、電力会社に売っているんでしょう?発電で売った電気と買った電気はどちらが多いの?
私、毎月つけているわよ。たしか、売った電気の方が多いわ。
 
へえ。すごいじゃない。それなら、うちの電気は太陽光発電100%ということになるの?
そうか。うちは、昼間太陽光発電で余った電気を電力会社に売って、夜その一部を買い戻していると考えれば、買った電気がたとえ原発や火力で作られていたとしても、太陽光発電、つまり自然エネルギーで作った電気を100%使っていると考えられないことはないわね。ねえ、お父さん。
そうなのかな・・・・・・。
 
そうよ。小売りでも同じことが言えるんじゃないの?
 
個人でそう思うのはいいとしても、小売りとなるとそうはいかないと思うよ。あっ、そうだ。思い出した。
なあーに。
 
たしか、グリーン電力証書を利用して自然エネルギー100%の電気を販売する会社が現れたという記事があったよ。その会社は、太陽光発電中心で仕入れていて、夜間など足りない分はグリーン電力証書を買うことで、100%自然エネルギーの電気の販売を開始したそうだよ。
そういえば、そんな記事あったわね。内容はあまり覚えていないけど
 
グリーン電力証書って、なあーに?。
 
それについては、物知り博士が詳しく説明してくれるよ。→物知り博士のQ&A
 
なるほどね。その会社を応援することで、自然エネルギー発電がさらに広まっていくことになるのね。
電力自由化についていろいろ勉強したことだし、そろそろ我が家も新電力に変えましょうか?
そうだね。小売り事業者のホームページを見たり、パンフレットを集めたりして検討してみよう。
 

― 完 ―

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お話の目次