「温室効果ガス」
温室効果ガス(Greenhouse Gas)とはその名の通り、地球の熱が大気圏外に放出するのを妨げるガス(気体)のことで、地球を温室のように包み込むことから名づけられました。温室効果のあるガスには、炭酸ガス(二酸化炭素、CO2)、メタンガス(CH4)、一酸化窒素(N2O)のほかに4種類のフッ素化合物があります。これらのガスは、海や地表から放出され、大気圏に滞留し地表の熱(赤外線)を吸収・放出して大気を温めます。ただ、この温室効果がなければ地球は冷え切ってしまい、生命は存在できません。その点では、これらのガスの存在は私たちにとって有難いことなのですが、問題はそのバランスです。現状では、これらが増えすぎたため、過度の温室効果により、地球が温暖化傾向にあるということです。
それぞれ、温室効果の程度は異なり、炭酸ガスを1とするとメタンは25倍、一酸化窒素は300倍近い効果があります。しかし、量的には炭酸ガスが圧倒的に多いため、全体としての効果に対する炭酸ガスの寄与は、約90%程度を占めています。炭酸ガスの排出を減らせば、温暖化を低減できるといわれているのはこのためです。
②エネルギー全般に関する用語
DX、GX、SX
DXは、Digital Transformationの略で、簡単に言えば、デジタル技術を活用して、ビジネスや企業の変化を通じて、社会全体を変革することです。
経済産業省が2018年に発表した「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」では、以下のようにDXが定義されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
企業がより成長して競合他社や外国企業との競争に打ち勝つための方法の一つとして、DXが推進されています。
GXはGreen Transformationの略で、脱炭素社会を目指す取り組みを通じて、経済社会システムを変革させることです。
経済産業省は「GX基本リーグ構想」において、GXを以下のように定義しています。
「2050 年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス削減目標の達成に向けた取り組みを経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けた経済社会システム全体の変革」
脱炭素に向けた取り組みは、一見すると経済成長を停滞させると思われがちです。しかしそうではなく、GXという形で企業の成長戦略として取り組むことで、環境問題の解決と経済成長を両立することを目指しています。経済産業省は「GX基本リーグ構想」において、GXを以下のように定義しています。
SXは、Sustainability Transformationの略で、サステナビリティを重視して企業経営を行うとい考え方です。
SXは経済産業省が設置した「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」で提唱され、以後注目を集めています。SXの目的は、「企業のサステナビリティ(=企業のビジネスの持続性)」と「社会のサステナビリティ」を両立して、企業の価値を高めることです。